Together Through Life

 

危険なプロット

kikennaprot (500x334)

フランソワ・オゾン監督『危険なプロット』を観た。
オゾンの作品は好きで結構観ているが、日常に潜む人間心理の闇をウィットを踏まえながらもサスペンスフルに描く本作こそオゾンの真骨頂だろう。
文学の才能を垣間見せる生徒に指導を施す教師。やがて操る者と操られる者との立場は逆転し、人生すら翻弄される。
作品の中に作品が登場するいわゆるメタ構造なのだが、これを映画というカテゴリーで描くからこそ不気味に生きる構成。見ているものを書く、それを読んでいるものを見る。この「見る」という行為はある意味「読む」よりも隅々まで視線が行き渡るものだから、だからこそ毒気を放つ。
「続く」という言葉で宙ぶらりんにされる物語。教師は果たして続きを「読み」たかったのか、それとも虚構とも真実ともつかない物語の続きを「見」たかったのか。
生徒に翻弄される教師はそのままオゾンに翻弄される観客となり、だからラストシーンで何もかも失った教師に生徒が表情で語る「現実を失っても僕が描く虚構の続きは見せてあげますよ」という魅力的で悪魔的な誘惑は、そのままオゾンから観客への誘いとなる。
客観的に語るだけでなく登場人物に自身を投影し、けれど過度にエモーショナルにべたつかない。いや、フランソワ・オゾン、お見事。
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