Together Through Life

 

「AV女優」の社会学



鈴木涼美『「AV女優」の社会学-なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』を読んだ。
性産業に従事する女性に限らず、「女性」は自らの身体に経済的価値があり、そのことに意識的でもあり、反面貞淑にふるまうことにも価値があることを知っているという理論から、性産業に従事する女性(著者はその究極として「AV女優」をあげる)も私たちの社会から地続きの場にいる。それを踏まえ著者は、これまで抽象論でしか語られてこず、さらには「自由意思」の判断の難しさも相俟って画一的な議論しかなされてこなかった「性の商品化」問題を語ることそれ自体を解体する。
実際にAV業界に密着してルポを行い、AV女優が「語ること」を通して自らのアイデンティティを獲得していく、つまり彼女たちが最初はシステムに要求された「動機=自由意思」を繰り返し語ることにより、それ自体が彼女たち自身のアイデンティティに転換していくという議論はスリリングだし、それによってこれまで同じことが繰り返されるだけだった「性の商品化」問題を解体しようとする試みはとても興味深く読めた。
ただ(自分のことは棚に上げるけど)文章がとても回りくどくて読みにくい。変換ミスなのか誤字も多いし、もともとは大学の論文だったらしいけれど、論文でももう少し読みやすい文章に仕上げられると思う。その辺り、編集者の問題もあるのかと思うけれど、少々残念だった。

はぁ。2作続けて論文の延長上にある思想や社会学の本を読んだら疲れてしまった。次は小説を読もう。
Comments

Body

« »

08 2017
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
profile

telltell72

Author:telltell72
welcome!

archives
tweets
検索フォーム
counter