Together Through Life

 

希望の国

希望の~1

園子温監督『希望の国』を観た。
これまでの彼の作品と比べると大きくベクトルが違って見えるけれど、きっとその観方は間違っているのだと思う。彼が描くの一貫してむきだしの愛、むきだしの感情であり、この作品でもそこは通じている。
だから、大胆に言えばこの作品はあの大震災を描いたものではない。それは(大胆に言えば)単なる下地に過ぎず、描かれるのはあの悲劇的な天災と人災を経験し、通り越すための人間たちのむきだしの生き方だ。
だから園子温は容赦なく、見えない放射能の分岐点に線を引く。その内側と外側に家族を配し、彼らの人生をむき出していく。
愛を背負い、その重さも温かさも知り尽くして長く生きてきた男は強い。
不確かな未来と自分たちの愛情に戸惑い、それでもそれを信じる以外に術はなく、手を取り合って一歩ずつ確かめながらしか歩めない若い夫婦は弱い。
でも、その弱い者たちの不確かな足取りからしか、希望は生まれない。いや、希望とはそもそも最初は覚束ない歩みでしかない。赤ちゃんのそれのように。
これまでは人間をむき出してきたが故にその裏側に潜む狂気ばかりが浮き彫りになっていたけれど、僕たち人間と、僕たちが生きるこのろくでもない世界をむき出すと、希望が見えてきた。そしてそれは、全然悪いことではない。
夏八木勲の男っぽく、優しく強い演技に脱帽。
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