Together Through Life

 

桐島、部活やめるってよ



吉田大八監督『桐島、部活やめるってよ』を観た。原作は小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウのデビュー作だけど、そちらは読んでいない。この映画の方はこの間の日本アカデミー賞で作品賞を獲ったとか、確か。
バレー部のキャプテン桐島と呼ばれる生徒が部活を辞めるという噂が学校内に広まる金曜日の状況が、キューブリックばりに人物の視点を変えた描写で何度も繰り返され、それぞれの人物の内面や動揺を浮かび上がらせる手法でまずは観ているこちらは捉えられる。そうして観ている内に徐々に浮かび上がってくるのは、スクールカースト。緩やかだけれど確実に存在するヒエラルキーが、演者たちの自然でリアルな高校生の演技もあり、高校という特殊な舞台にほとんど閉じ込められている17歳という未熟な者たちの狭間に揺れる。そこを見据える視線は怖いくらいに冷徹で、リアルだ。そして、各階層の登場人物たちが混然一体となって織りなすクライマックスには彼らそれぞれが抱える混沌、無関心、戸惑い、嘘、渇望、諦念などが(未成年だけにより一層誇張された形で)立ち上がり、青春映画の新味のみならず現代社会の縮図(いや拡大か)として浮かんでくる。また、そこから静かに続くラストシーンまでの流れが素晴らしい。
アルゴ』には少々落胆したけれど、こちらの日本アカデミー賞作品賞には納得。というか、こういった作品にアカデミー賞が与えられたことが、新鮮で嬉しい驚きかな。
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