Together Through Life

 

ソロモンの偽証

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いやぁ、長かった。それぞれ700ページ余りを3巻。ようやく宮部みゆき『ソロモンの偽証』読了。
舞台は中学校。ある中学生の死を同級生が発見し、その真相究明を(基本的に)中学生だけで明かしていくというもの。
まずこれだけのボリュームのプロットを創り上げ、それぞれの登場人物の人柄、背景などを緻密に描き分け、さらには彼らを濃密に絡み上げ、読みやすい文章上に張られた伏線とその解きほぐし具合の絶妙さに感服する。さすがは匠・宮部みゆきという印象。実際第Ⅰ部で惹き込まれ、第Ⅱ部も若干の失速感はあるものの細やかな描写に感心し、第Ⅲ部はあらゆる角度から暴かれる真相に夢中でページを手繰った。
ただ、うん、これはもちろんフィクションだということは重々承知だし、真相究明のその先にある魂の救済というテーマのためにも中学生たちが主人公でなければならなかった、ということも分かる。分かった上で、やっぱりこんな中学生なんているのか?という違和感はずっと付きまとってしまった。そういった違和感や、中学生だけで仕切る学校内裁判という非現実的な舞台設定はこの物語のために必須ではあるのだろうけれど、それならば結末の驚きでもいいし感動でもいいけれど、そういった読後感が違和感を払拭して余りあるものであればなぁ、と。そこだけ、少し物足りなかった。
とは言え読み応えは充分。登場人物が眼前に現れ、躍動し、読者をその世界に誘う筆致は素晴らしい。
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