Together Through Life

 

昭和天皇 第六部



福田和也『昭和天皇 第六部-聖断』読了。
真珠湾攻撃から終戦までが淡々とした筆致で綴られる。
ミッドウェー、ガダルカナル、レイテ。各地で戦況は悪化の一途を辿る。山本五十六は死に、少年少女たちは疎開し、多くの若者が特攻していく。東京には爆撃の嵐が降り注ぎ、戦艦大和は沈み、ムッソリーニは死にヒトラーも自ら命を経ち、硫黄島は玉砕され、沖縄にアメリカ兵が上陸する。そして、広島、長崎への原爆投下。裕仁は深く苦しみ、かつてないほどに怒る。
あっという間に敗戦への道としか思えない道程を歩む日本の様を、相変わらず著者は軍や政府のみならず小説家、芸人、役者や市井の人々の姿を追いながら、その頂点に君臨する裕仁に迫る。
もはや陸軍、海軍、政府はバラバラであり、ここまで追い込まれても国体の維持を理由に戦争を続けるという意見に対し、「彼の人」は聖断を下す。

「陸海軍の将兵にとって、武装解除や保障占領という事態が耐えがたい事はよく分かる。しかし、自分はいかになろうとも、万民の生命を助けたい。万民にこれ以上苦悩をなめさせる事は、実に忍び難い」

抗いようのない時代における、抗いようのない自身の立場において、裕仁の底知れぬ孤独と苦悩がひしひしと伝わる迫力の書。
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