Together Through Life

 

恋の罪



園子温監督『恋の罪』を観た。
冷たい熱帯魚』に続き実際の事件にインスパイアされた作品。ただしあくまでも「インスパイア」されているだけであって、事実を追及する映画ではない。展開されるのはもう園子温ワールドとしか言いようのないエネルギーと熱量を振りまきながらものすごいテンションで疾走するダークな世界。
愛のむきだし』で「愛」をヒリヒリ痛いくらいにむき出し、『冷たい熱帯魚』では人間の本性をどこまでも深く掘り下げた監督は、今回女性の業=性=生をこれでもかと抉り出す。その堕落と解放はやはり痛々しいほどなのだけれど、『愛のむきだし』で露呈されたマッチョイズムはこの作品でも垣間見えてしまっているような気がしてならない。女性目線、男性目線といった問題ではなく、特に富樫真が鬼気迫る演技で見せる美津子の堕落と解放の根本が、男性による歪められた性の犠牲の上にある狂気だとするならば、そこまで堕ちた女性の悲劇がただただとことんまでの性(エロ)にのみ向くのかといった疑問も湧く。
ただ園子温の作品にそういったリアリティを求めるのは無粋だし、無理なのだとも思う。劇中を彩るマーラーの交響曲、しつこいくらいに繰り返される田村隆一の詩、全編に張り巡らされたエロとグロの中に、とことんまで深く激しくデフォルメされた本能を見る。そういった観かたが正しいのだろうと思う。
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