Together Through Life

 

捨てた街

先週ビザが下りなくて急にタイの客人の来日が延び、関西空港朝着の出迎えのために前日入りを予定していた僕も急遽名古屋からトンボ帰りしたのだけれど、その彼らのビザがようやく下りて明朝関空着で今度こそ来ることになったので、僕も今度こそ大阪へ行く。
明日の朝は7時着陸の便なので、宿も関空に近いところを…ということで、岸和田駅前に宿を取った。岸和田は僕の生まれた街。中学卒業までを過ごした街。
高校入学と同時に街を出て、でも僕が東京で大学生活を送っていた途中までも親はまだここにいて、だから僕もちょくちょく帰ってはいたんだけれど、その後親が関東に出てきてからは電車で通り過ぎることはあっても降り立つことはなかった。たぶん、15年近く振り。
NHKの朝ドラ『カーネーション』のポスターはたくさん貼ってあったけれど、駅前商店街は相変わらずで基本的に変わっていない。懐かしい気分でまずはホテルにチェックイン。



荷物を置いて、せっかくなので夕食がてらブラブラ歩く。
岸和田駅は僕が初デートで待ち合わせした駅舎の面影などとっくになくて、でも駅周辺はあまり変わっていなくて、どことなく変な気分。

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まずは腹ごしらえ。うどんの有名店『茂凡』で天ぷらうどん定食を。

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関西の薄味が沁みる。美味。

お腹も満たされ、よく使っていたJRの方の東岸和田駅へ行ってみる。こちらは昔のままの駅舎で、逆にまだこんな駅舎なのかと少し笑ってしまった。

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駅から、昔家があった方へと向かう道を歩く。15年もの月日が本当に経ったのかと思うほど変わり映えしない。それが街として良いことなのか悪いことなのか分からないけれど、少なくとも僕の郷愁は刺激される。
そして、どんどんかつて家があった場所に近付くに連れ、胸の高鳴りは激しくなる。

子どもの頃よく遊んだロケット公園は、当時のままの姿であった。

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そして、当たり前だけれど、その先にあったかつての僕の家はなかった。

かつての僕の家があった場所で郷愁はピークに達し、なぜだか涙が溢れ出る。

ここは僕が生まれた街だけれど、子どもの頃を過ごした街だけれど、僕たち家族が逃げた街なのだ。捨てた街。置き去りにした故郷。
だから、僕にはもはや故郷はないのだと、そのことが唐突に、強烈に実感された。

今は家族もそばにいるし、だから、悲しかったわけじゃない。ただ、普段意識していなかった「故郷」がもはやなくただ「捨てた街」があるだけという現実を再確認させられ、美しいノスタルジーと思い出したくもない過去とがごちゃまぜになって襲いかかってきただけなのだ。

踵を返してホテルへ向かう。明日は早い。

たぶんもう、来ないと思う。来なくていいと思う。
でも、今回来れたことは、本当に良かった。
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