Together Through Life

 

太陽は動かない



吉田修一『太陽は動かない』読了。
前回の記事で出張中は読書が捗るということを書いたけれど、この作品は出張中じゃなくても一気読みだっただろうな。それほど惹き込まれる面白い作品だった。
これまでどちらかというと表面上は静かな佇まいの中で実は激しく蠢く感情を不気味なくらいの筆致で描いてきた著者だけれど、今作は逆にアクションエンターテインメントとも捉えられるほど激しく、速く、劇的に動く登場人物たちを描きながら、その内面に潜む変わらない静かな揺蕩いを浮かび上がらせる。
上海、天津、東京、シンガポール、香港、モンゴル。アジアの舞台の熱気がひしひしと伝わり、その熱い舞台で縦横に動く登場人物たちの描写も見事。とても痛々しくて、セクシー。とにかく魅力的なのだ。
思えば前作『平成猿蟹合戦図』でこっちの方向に舵を取っていたのだろう。痛快なスパイアクション作品として読めるのだけれど、人物の心情や人間関係の描き方、キャラクターの魅力や彼らを熱い舞台で動かせる迫力などはやはりそこら辺のただのエンタメとは一線を画す深みがある。いや、吉田修一、すごいな。映像化、シリーズ化を激しく期待したい。
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