Together Through Life

 

長い長い殺人

今回のタイ出張も今日が最終日。昼間はまとめの事務仕事。夕方ホテルでシャワーを浴び、荷造り。夕食までの間で、残りわずかとなった宮部みゆき『長い長い殺人』を読み終える。



1992年の作品なのに今も違和感なく興奮して読み進められることに、まず作品としての力を感じる。そして、その語り口。語り手が各編ごとに入れ替わる連作長編なのだが、その語り手というのがなんと財布なのだ。事件に関係する登場人物たちにいつも寄り添い、だけど懐に入っていて自分では動けないという制約もある財布は、確かに事件をミステリアスに語るのには打ってつけの存在だと言える。言えるのだけど、そこに着眼しきちんと(連作とはいえ)長編に仕立て、最後まで読ませる著者の力量に唸る。
ストーリーとしてはのちの『模倣犯』を思わせる享楽的自己満足的な事件で、そこがまだ徹底され切っていないからか動機というかオチが弱い気もするけれど、ぐいぐい読ませる構成と展開は充分。面白かった。
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