Together Through Life

 

野火

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塚本晋也監督『野火』を観た。
敗戦がほとんど確実になった中、レイテ島に取り残された日本兵たちの極限。もはや物体としか認識されない死体がごろごろと転がり、味方同士で疑心暗鬼の末、殺し合いが始まりさらには…。塚本晋也は映像としての利点を生かし、眩いばかりに美しい原色の自然の中に、凄惨な戦場に転がる死体と煤と垢にまみれてゾンビのごとくただただ自身のみの生を求める敗残兵を放りこむ。そこに人間としての尊厳はないので、各人の背景などは一切描かれない。ただ生き生きと生きている自然と、精神的にも肉体的にもほとんど死んでいる兵士たちの対比が恐ろしい。そして、それこそが戦場なのだ。
映画としてとても迫力に満ち、映画でしか描けない鮮やかな色彩の力など、とても見応えのある作品。けれども、これはもう仕方ないとは思うのだけれど、原作の衝撃にはかなわないものなんだなぁ。
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