Together Through Life

 

『野火』再読

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この間スコセッシの『沈黙-サイレンス-』を観る前にと遠藤周作『沈黙』を読み返したばかりでまだその映画も観にいけていないんだけど、今度は塚本晋也監督『野火』が観たくてその前にと、これまた四半世紀ぶりくらいに大岡昇平『野火』を本棚の奥から引っ張り出して再読。そしてまた圧倒的にぶっ飛ばされる。すごい。
描かれているのは極限状態、日常の目移りするあれやこれやを全て剥ぎ取られ、他者すらもお互いに自身の孤独へと追いやる存在になった剥き出しの人間の精神。それは冷静なのか錯乱しているのか、それすら分からない。人間として正常に生きているのか狂っているのか…。著者は圧倒的筆致で極限の精神状態に迫真し、その核を炙り出す。見えてくるのは、狂人か、神か。
『沈黙』といい『野火』といい、我ながら10代のころは深く激しい読書体験をしてきたんだなぁと思った。そして、こんなに苦しく重い小説なのに、この2作とも読むのが楽しいという逆説的な体験に驚いた。要はそれこそが名作ということなのだろうと思う。
でもさすがに重いのが続いたので、次はちょっと軽めの作品を読もう。
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