Together Through Life

 

スローターハウス5

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カート・ヴォネガット・ジュニア『スローターハウス5』読了。
主人公ビリー・ピルグリムが時空を飛び回るSF的作品だが、第二次世界大戦で自身が体験したドレスデン爆撃を描いた自伝的要素の濃いものとなっている。戦争で捕虜の悲惨さを体験し、ドレスデンで被害者側として無差別爆撃を経験した人間として、たぶんヴォネガットは小説家としてそれを描かざるを得なかった。ただし、単なる戦争ものとしては描かない、もちろん。ヴォネガット特有の哀しいユーモアに包みながらも、繰り返される「そういうものだ(So it goes)」という深い諦念。
思えば人間社会の滑稽さを描き続けてきたヴォネガットにとって、戦争こそが滑稽極まるものに写ったに違いない。逆か。滑稽極まる戦争を深く体験したからこそ、彼の作品は哀しいユーモアを身にまとわざるを得なかったのか。
いずれにしても繰り返し読み返される素晴らしい作品には間違いない。
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