Together Through Life

 

ふがいない僕は空を見た



窪美澄『ふがいない僕は空を見た』読了。
著者にとってのデビュー作で、語り手を変えてそれぞれに関連し合う5編からなる連作で、最初の「ミクマリ」で第8回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞し、連作として山本周五郎賞受賞や「本屋大賞」2位になったりと何かと話題の作品。
こんな感じの小説(所謂「こんな感じ」の)は久しぶりに読んだのだけど、これは、ふむ、なかなか…。
「ミクマリ」で、女性の著者が男子高校生の瑞々しい感性とエロをこんな風に書けることにまず驚いた。そして、その後の連作で描き続けられる、このどうしようもないけれど素晴らしき世界。社会を覆うあらゆる問題、事件、事象。がんじがらめに絡みつく関係性。こんな世界に生を受けて、どうして僕たちは生きているのか。
丁寧で綺麗な情景描写と、覗き込み過ぎない心理描写が上手で、ロクでもないのにそれでも素晴らしきこの世界で、それでも生きていく意味、いや、意味などなくてもとにかく「生きる」人々の姿がなかなか胸に迫る。
この世界で、この関係性の中で生きるという意味を越え、著者はそんな「意味」よりも「生きる」ことそのものを訴える。

 だから、生まれておいで

この連作小説の中で、著者はただそれだけを訴え続けている。
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