Together Through Life

 

高い窓

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レイモンド・チャンドラー著、村上春樹訳『高い窓』読了。これで村上春樹がフィリップ・マーロウ物を翻訳するのも5作目になった。こうなったら訳者本人があとがきでも触れいているようにあと2作、完訳してもらいたい。
グルーヴ感だとか切なさとか、そういったものは他のマーロウ作品に比べて少ないけれど、緻密なプロットは他作品にはないものだし、ハッとするほど美しい表現、細かな人物描写と情景描写、伏線の回収(もちろんチャンドラーだから多少の綻びはあるものの)なんかは他にはないほど素晴らしいと感じた。何よりもここに来て村上春樹の訳もチャンドラーの筆に寄り添うように滑らかで、そのことでフィリップ・マーロウのダンディズム溢れる動きがより生き生きと描かれている。
フィリップ・マーロウが時にタフに、時には優しく動く。チャンドラーの作品の魅力はほとんどそこに尽きるのだから。

「私はいつもの道を、いつも通り歩んでいるだけさ」
「罪のない微笑みを浮かべ、さらりと別れを告げる。私の切なる希望として、檻のついた場所で君と再び顔を付き合わせるようなことだけは、何があろうと避けたい。それではおやすみ」

あぁ、なんてかっこいい。
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