Together Through Life

 

人魚の眠る家

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母から借りて持ってきた東野圭吾『人魚の眠る家』を読んだ。
「脳死」という概念に真っ向から挑んだ作品。家族が「脳死」状態に陥ったとき、それをどう受け止め、どのような決断を下せるのか。
真っ向から挑み、その苦悩とも言える思考経路、決断は、果たして解答にはなっていない。それは当然そうだ。著者はあくまでもここに一つの形を提示してみせただけだから。
とても難しいテーマだが、著者の巧みな文体と構成の力もあり、押しつけがましいものにはなっておらず、かといって軽くもなく、素晴らしい小説に仕上がっていると思う。
というのも、家族の死というテーマの水面下に母親の狂気の愛が潜んでいるからかも知れない。
母親は圧倒的に子供を支配する。それは狂気であり、愛でもある。
その狂気を、愛を著者は見事に描き出し、それを目撃する読者は時に母親を醜く、身勝手にも感じる。でも、それは確かに罪深きも他には存在し得ない大いなる「愛」なのだ。それを持っているがゆえに、彼女は母親なのだ。
一応きれいにまとまってはいるけれど、読後にはそういった水面下に描かれるもう一つのテーマ故のもやもやがある。でも、だからこそこれは文学なのだろうと思う。
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