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悪霊

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ドストエフスキー著、亀山郁夫訳『悪霊』読了。ようやく。
大人になってドストエフスキーをきちんと読んでみようと思い『罪と罰』を読んだのが6年半前。その後1年に1冊は読もうと思って次に読んだ『白痴』からでも、なんと5年半も経ってしまった…。
さて『悪霊』。さすがのド迫力の小説ではあるけれど、『罪と罰』や『白痴』のときのような豊潤な読後の満足感は得られなかった。それには多分僕の読解力不足が大いに関係しているのだろうけれど、『悪霊』自体がとても難しい、分かりにくい作品であることも確かだと思う。
農奴解放令後のロシアの時代背景、そこに蔓延る思想。当時のキリスト教的世界観、西欧思想、革命思想などをもう少し理解しておかないと、この作品を本当の意味で「味わう」ことは不可能なのではないか。
事前知識としてあったのは登場人物の三分の一が死ぬ凄惨な作品であるということと、その背後には小説史上最悪の大悪人スタヴローギンがいるということ。
ただ、読み進めてみての印象は読む前とはずいぶん違う。混乱の時代のロシアを転覆させようと試みる悪霊に取り憑かれた革命家たちは、どこまで本当に組織化されているか見えないし、大悪人であるはずのスタヴローギンがニヒリストであることは間違いないけれど、数々の事件の背後に見え隠れはするもののどこまで把握し、携わっているかは分からない。それどころかスタヴローギンとは何者かということ自体、読み終えても分かってこない。
この作品が壮大で重厚でいながら曖昧としたものになっている一因に、語り手「私」=G氏の存在がある。G氏は語り手である以上本人が知っていることしか語り得ないはずだしそういう記述もあるのだけれど、時々G氏が消えて物語が展開する場面もある。そういった構成がこの小説をより複雑なものにしているのだと思う。
訳者が巻末でかなり詳細な読書ガイドを書いているのだけれど、そこに書かれるキーワードとしての「黙過」と「教唆」、さらには「使嗾」、そういった観点から理解していくのが良いのだろう。その辺りを意識して、さらに年を重ねたら…、もう一回読んでみようか。
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