Together Through Life

 

中庭の出来事



恩田陸『中庭の出来事』を読了。
舞台は中庭。ホテルの中庭、ビル地下街の中庭。その囲まれた、いわば世界から切り離された場所で起こる殺人あるいは自殺?
小説の中に演劇があるという設定は珍しくもないが、この作品ではさらにその演劇の中にも演劇がある。場面は章ごとに切り替わり、半分以上読んでも全体像が掴めない。どれが小説の中の現実で、どれが劇中劇で、どれが劇中劇の中の劇なのか。
終盤、それらの層が集束しやがて大きな全体像が姿を現すも、まだ僕らは何がどこで起こったのか、曖昧にしか分からない。そして、突然舞台上から視線は観客へと向けられる。つまり、読者へ。引きずり込まれる。
演劇をテーマにしているだけに最後のまとめ方は幾分芝居がかっていて大仰にも感じるが、芝居の台本のような章もそれ自体見事だし、緻密な構成と読者を巻き込む展開力には舌を巻く。恩田陸の本領が全開に発揮された、素晴らしい作品だと思う。
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