Together Through Life

 

昭和天皇「よもの海」の謎

yomonoumi (332x500)

平山周吉『昭和天皇「よもの海」の謎』読了。
昭和16年9月6日、太平洋戦争開戦を巡る御前会議。通常は議題が台本通りに進められ、形式的に天皇の御裁可を得て終わるはずだったのが、この日昭和天皇は最後に発言する。それが祖父明治大帝が詠んだ和歌「よもの海みなはらからと思ふ世になど波風のたちさわぐらむ」であった。
「君臨すれども統治せず」という立憲君主である天皇。だから御前会議も上奏も形式的なものでしかなく、天皇は御下問はされても基本的にはそのすべてに「了」と御裁可される。ただ、大日本帝国憲法ではその天皇が軍の統帥権を握っている。つまり、天皇が「否」と言えば、すべての決定は覆る。
そんな捻じ曲がった矛盾の立場からの、ぎりぎりの平和への思い。でも、その和歌の解釈によりその後天皇の願いは変換され、日本は戦争へと突入する。
明治大帝の御製と、昭和天皇の禁を破った発言。その何日かを巡る、天皇と軍の思惑。多くの資料に当たり、それらを突き詰めていく過程はとてもスリリングだ。
ただ、途中少し脱線し、中弛みのような印象も受ける。昭和16年9月6日から開戦に至る過程と、戦後の昭和天皇のあの発言に関すると思われる発言に的を絞った方が良かったのでは。
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