Together Through Life

 

マイレージ、マイライフ



今日から主張。今回は中国〜タイ。まずは広州へ飛ぶ。

往きの機内でジェイソン・ライトマン監督『マイレージ、マイライフ』を観た。
リストラのための首切り代理人として全米各地を飛び回り、機内と空港を根城にしたマイレージな人生を生きる男にとって、そのバックパックは軽ければ軽いほど良い。そんな軽快な人生を半ば自嘲気味に生きるジョージ・クルーニーは自身を合理的で孤独な男だと信じ、それを愉しんでいるのだと言い聞かせてきたのか。
同じように各地を飛び回る女性、そして経費削減のために出張を廃してウェブカメラで首切りを伝えることを提案する新卒の後輩女性社員。彼女らとの出会いをきっかけに主人公の人生は大きく舵を切ることになる。
恋愛すらも行きずりで合理的にこなしてきたはずが、同じ匂いを持つ彼女にのめり込む自分がいる。他人の人生をどん底に突き落としている側面から敢えて目を逸らしてきたはずが、デジタルな新入社員の超合理性に納得することができない。彼のバックパックには様々なものが詰め込まれ、どんどん重くなっていく。でも、その重さが不愉快ではない。
要は、彼はアナログで、人間臭く、孤独の意味すらはき違えていた男だったのだ。
デジタルで合理的な仕分けが進む世界にあって忘れてはいけないことは、人間はどこまでもアナログだということだ。そして、人生を生きる上で、背負うバックパックが軽いことはとても寂しいことなのだ。どんどん詰め込めばいいわけではない。ただ、大切な人や物はずっと背負って、死ぬまで一緒に歩めたら。
軽快な演出とテンポの良い脚本。ジョージ・クルーニーが醸し出す中年男性の色気と悲哀。現代の問題や矛盾がユーモアも交えて描き出され、楽しんで観られる佳作だと思う。

 

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