Together Through Life

 

BABEL


アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作『バベル』を観てきた。
モロッコ、メキシコ、アメリカ、日本。異なる地を舞台に、物語はかすかな線で繋がる。でも、人間同士が繋がり合うのは、恐ろしく困難だ。
聾唖の少女を演じる菊池凛子が、この映画全体を象徴する。
少女は裸になり、文字通り全身を賭けてコミュニケーションを図ろうとする。言葉を持たないが故に。
権力、欺瞞、地位、国境、人種…。欲望で積み上げられたバベルの塔が神の怒りに触れたその時から、人間はどこまでも不完全で、分かり合えない。取り上げられたのは言葉だけではない。
実際、聾唖ではないモロッコ人とアメリカ人は通じ合えず、そして、そこにはすぐに政治が及ぶ。生身の人間同士はディスコミュニケーションに陥り、今もバベルの塔の上で右往左往を繰り返すだけだ。
『21g』でもそうだったけれど、この監督の良いところはどうしようもない絶望的なテーマを描きながら、わずかに(本当に微かにではあるけれど)救いの可能性をも盛り込むところだ。それによって、僕達はどうしようもない閉塞感から一筋の光を見つけようとする。
ただ、正直『アモーレス・ペロス』や『21g』の衝撃、深みは感じられなかった。『21g』のような緻密さがなく、全体的に漠然とし過ぎているように感じられた。それが少し残念。

 

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