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Together Through Life

 

crash


長引きそうな仕事をなんとか早めに終え、日比谷に急ぐ。先に行っていたryuuが席を取ってくれていた。
観た映画は先日アカデミー賞の作品賞を受賞した『crash』。公開した時から観たかった映画だったのだがついつい行けずにいたら、アカデミー賞をとってしまいお陰で今日なんかレディースデーでもあり大混雑。普通に一人で行っていたら既に満席で観られなかった。ryuuに感謝……はこれくらいでいいか。

偶然にしろ必然にしろ、人はぶつかり合う。歪だったり美しかったりして、人間は誰かと触れ合う。傷つけたり、傷つけられたり。救われたり、救ったり。偶然だったり、必然だったり…。時に人間にもまれて、荒波に飲まれて、流れ着いた場所は絶望の淵だったり、安息の場だったり……。生きていくのはそういうことだけど、幸せなことに僕達人間には”意思”がある。全てが思い通りにはいかないけれど、むしろ思い通りにいかないことの方が多いような気がしても、自分の意思を大切にして、宿命の定めを理解しようとして、もがきながら僕達は生きていくのだろう。
残念ながら日本人には完全には理解できない、人種差別をベースにしたストーリー。アメリカではこれほどまでに人種差別が激しいのかすら、それすら分からない。それが少し歯がゆいけれど、たっぷり2時間をまったく飽きさせずにテンポ良く見せる展開は見事でした。緻密に構成され、それぞれに深く奥行きがあり、それらが不自然でなく繋がり合うエピソード。素晴らしい映画でした。

映画を観終えてフラフラ歩き、中華料理屋で食事。ryuuが新しく書こうとしている小説の構想を、アイデアを一緒に考える。ブレストって言うの?テーマがあって、自分だったらこうするんじゃないかとか、こうなった方が面白い展開だとか、結末はどうあった方がいいか、とか。2人で意見を出し合って考え出すとなかなか楽しいし、早くこの物語を素敵に完成させたいと思うようになる。でも、やっぱりそう簡単なものではなく…。帰りの電車内、まだ到達点の決まっていない登場人物の行く末が気になって気になって、ずっと考えてしまいました。人と人との付き合いで、誤解があったりすれ違いがあったり手遅れなことに気付いたりしながらも、それぞれが前を向いて歩いていこうと思えるような物語がいいな、と思いつつ…なかなか難しいねぇ……。
考えよう。早く結末知らないと気持ち悪いよ。
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