Together Through Life

 

これで駄目なら

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カート・ヴォネガット、円城塔訳『これで駄目なら 若い君たちへ-卒業式講演集』を読んだ。
アメリカでは大学の卒業式に著名人を講演に招くことが多いらしく、中でもヴォネガットは人気だったらしい。確かに軽妙でどこかシニカルでありながらも温かみある語り口は、彼の小説同様心に沁み、これから社会へと巣立つ若者の心にしっかりと残るものだろうと思う。
ヴォネガットの語り口は確かにユーモアに溢れ毒っ気もあり、話もあちこちに飛ぶ。でも、確かにそこには真っ当な素直さ、現実を当たり前に見る誠実さがある。講演の初めか最初には必ず「君たちが大好きだ。心から」と言った言葉も口にされ、これから社会に巣立つ若者の背中を温かく押してくれる。
「これで駄目なら」という言葉はヴォネガットの叔父さんの言葉で、幸せに暮らしていながらそれに気付かずにいるということを避けるため、時には立ち止まって自身に問いかける言葉「これで駄目なら、どうしろって?"If this isn't nice, what is?"」から採っているらしいが、この言葉もいかにもヴォネガットらしく、僕も時には立ち止まって自分に問いかけてみよう、そんな人生にしようと思える。

 

カーズ/クロスロード

三連休最終日は午前中ゴロゴロ。出かけるママとannとallenを送って、僕だけまた家でゴロゴロ。良い休養。
夕方また迎えに行き、annの友達Rも一緒に5人で映画へ。ブライアン・フィー監督『カーズ/クロスロード』。



テーマは老い。世代交代。
若いレーサーに追い抜かれ、追いつけず、苦しそうに顔を歪めるマックィーン。このままレーサーとしてまだまだ生きるのか、新たなる他の道へと踏み出すのか。
マックィーンはベテランの老獪さとテクニックを活かす練習を重ね、レースにカムバックする。ただやはりピクサーは単純なカタルシスや感動には持っていかない。なぜなら、この世にはやれば何でもできる、夢は叶うと簡単に言う作品があふれ返っているから。それでいてその前段階にあるやらなければ何も始まらない、何も出来ないということもきちんと描くのだ。
やれば出来る!って思って懸命に努力したって、どうしても出来ないことは確かにある。でも、やったってどうせ出来ないって思っていたら、本当に何も出来なくなる。その交差こそ邦題にあるもう一つの「クロスロード」であり、子供たちにきちんと伝えなければいけないことだ。
続編の性か「1」には敵わない(「2」はそもそも別物として)かもしれないけれど、マックィーンのレーサーとしての人生を締めくくるには素晴らしい映画だった。
シンプルな感動はないけれど、感慨が確かにあり、その感慨がとても深くて泣いてしまった。

 

ちょっと残念

本当にまだ梅雨明けしていないの?と驚くくらい連日暑い日が続き、もうこれはプールでも行かないとやってられないと思いながら過ごした先週。ようやく今日、今年初プール。
ただ、他の家族との約束もあってプールは午後から。午前中はまだ日差しも眩しかったのだけど、よりによって午後から雲が増え始める。そして休憩時間にプールから上がると肌寒いほどに…。
ま、それでもプール入っている時間は楽しかったし、allenは特にスイミング効果かじゃぶじゃぶ顔つけて楽しんでたし、いっか。

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でもやっぱり次は炎天下に来たいものです。

 

70台を進む

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今日は父の誕生日。71歳になった。
去年から初めてとも言える大きな病気をし、それを持前の気力と前向きさと研究で驚くほどスムーズに克服し、これからも元気で70台を進む。
まだまだ仕事を頑張ってはいるけれど、さすがに以前より体力的に疲れているときも見られる。それでも孫にせがまれるとせっせと自転車で出かけ、ときには孫以上のテンションで遊ぶ。
今年も誕生日おめでとう。
いつまでも孫たちにとって、僕にとっても刺激的なじいじでいて下さい。

 

勉強の哲学

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千葉雅也『勉強の哲学 来るべきバカのために』を読んだ。
勉強とは自分の今置かれている環境=コードの「ノリ」からいったん客観的に距離を取り、別の環境へと脱コード化することだと。そのために著者は「ツッコミ」=「アイロニー」と「ボケ」=「ユーモア」という手段を提示する。当たり前と考えられているその場の「ノリ」をアイロニカルな視点からツッコミを入れることによって一時的にその場の「ノリ」から浮き、自覚的な「ボケ」によって他環境の「ノリ」を獲得していく。それが勉強だと。なかなか面白い。
けれど、このようなステップは少なからぬ人たちがすでに実践していることではないかと。学問の勉強に限らずに言えば、例えば趣味(映画でも音楽でも釣りでも良いが)なんかでは、少なくとも僕はそのような段階を経てきた。
そういった意味ではあまり新鮮な勉強論ではなかったけれど、著者としては自身のベースであるフランス哲学の実践としての勉強論というたくらみがあったと思えるし、哲学や思想をそうやって現代社会の問題解決や若い人たちの成長のために実践的に利用していこうという取り組みには以前から共感できる部分はある。ただ僕としては学問や趣味の知見を深め、広めるという方法論をフランス哲学的に語るという逆ルートの読み方として面白かったかも知れない。

 

幸せパワー

annの世代の保育園の先生でA先生という方がいて、まだ若いんだけど真剣でいながらざっくばらんなその性格もあり、子供はもちろん親にも人気の先生だった。しかも0歳時から卒園までずっと担任だった(annは2歳から)という、ある意味幼い時期の子供たちにとって親よりも身近にいてくれた先生なので、特に子供たちにとってとても影響を与えてくれた先生でもある。卒園後も一緒にBBQをしたり、小学校の運動会にも来てくれたりして、多少の交流はあった。
そんなA先生がこの秋に結婚するというので、ママたちが中心となり、保育園の同窓会も兼ねてお祝いパーティーを。先生はママたちとのただの食事会だと言われていたみたいで、会場に入って教え子たちが走り回っているのを見て察したのか早速泣いちゃった。

司会はこのやかましい方々。

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ただの食事だと思っていたので当然だけれど旦那さんは来ない予定だったのが、たまたま近くで友達と飲んでいるというので友達ごと引っ張ってくる。子供たちがはしゃぐ、ある意味保育園の先生にとってこれ以上ない雰囲気の中、質問タイムやゲームなんかで盛り上がる。

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子供たちは子供たちで嬉しい、幸せな空気をもちろん感じているし、違う小学校に行ったお友達と再会した嬉しさもあり、思い思いに楽しむ。

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ちびたちも。なんか語らってる。

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子供たちとの思い出や卒園後の成長を撮ったDVDも感動したし、笑いあり涙ありでとにかく楽しかったなぁ。やっぱり人の幸せって、周りも幸せにするパワーがあるんだろうなぁ。
素敵な夜だった。

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お若いお二人、末永くお幸せに!

 

びっぐべいびーがもらえますように

今年は別にいいかなぁ、とか怠け心で会社から帰宅するとannが「パパ~、七夕やらないの?!」と。笹も何も買っていなかったので庭の笹を切り、折り紙を切って短冊にして星に願いを。

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allenも最近ぐっと興味を持ち始めた平仮名で頑張って書く。

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願いを込めて飾る。

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やっぱり怠けないでやらないとなぁ。こんなに素敵な願い事をしてくれるんだから。

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まぁ別の短冊には「あんが百歳(出来れば百歳以上)生きられますように」とかも書いてあったけど…。

allenの願い事。一つの短冊に収まらなかったので2枚つづり。

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「びっぐべいびーがもらえますように」って書いてあります。別のには「ざーぐがもらえますように」だって。欲しいものばっかりか!
ちなみにもちろん「びっぐべいびー」とはトイストーリー3に出てくるビッグベビー、ザーグもトイストーリーに出てくるザーグね。

今日は良い天気。星は見に出なかったけれど、きっと織姫と彦星は無事出会えているでしょう。

 

盛りだくさんなバースデー

もはや嬉しくもない、なんてことはなくやっぱりおめでとうと言われれば嬉しい、今日は僕の誕生日。予定が盛りだくさんの嬉しい日。
まずはallenの保育園の茶話会へ。今回は消防署に行ったんだけど、色々見れたり体験出来たり、消防士さんの説明付きだし、今までの茶話会で一番楽しかったなぁ。
地震体験とか、

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救急車の詳細とか。

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annは先週くらいに学校から消防署見学に来ていたので消防士さんの質問にいつも真っ先に手を挙げるもんだから、消防士さんもだんだん苦笑いで「後にしてね~」とか言われてた。まぁallenのクラスの茶話会だからね。
それでも質問したり、積極的。

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もちろん消防車もじっくり。

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消防署内もたくさん案内してくれて貴重な体験だった。防火服も着させてもらったり。

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これは僕も着てみたけど、その重さに吃驚。トレーニング室では圧巻の懸垂もしてくれて、やっぱり消防士さん、かっこええわ。
最後は消防車の前で集合写真。消防士さんたち、ありがとうございました。

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と、終えたのが昼前。お友達にバイバイしてランチを食べ、ママとallenはカット。夏らしく涼しげにしてもらう。

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そしたら今度はすみだ水族館へ。僕は初めて。他3人はお得な年パスも持っていて何度も来ているけど。

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コンパクトで回りやすく、気軽に来れる感じ。なるほど、確かに年パスが重宝しそうな水族館だ。

ここまで来たらせっかくなので東京スカイツリーにも上る。

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上るのは初めて。やっぱり一度は上っとかないとね。

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今日が誕生日ということでバースデーステッカーをもらって胸に貼って上ったら、あちこちでスタッフの方々に「おめでとうございます!」と言われ、なかなか良い気分。
記念撮影のフレームも誕生日仕様にしてもらったり、良い感じ。

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ソラカラちゃんからはお祝いのメッセージカードまで頂く。

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ありがたや。

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下りて、先月29日が誕生日だったパートナーとの共同ということで、少し贅沢なディナー。

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疲れたけれど、やっぱり家族で盛りだくさんな休日は楽しい。誕生日が重なればさらに楽しい。ありがたさを噛み締める。

 

いつまでもそのままで

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ann、4年生になって2度目の授業参観へ。2度目だよなぁと思って過去記事検索したみたんだけど、1度目は書いてない…。まぁそれほどannの小学校生活もお馴染みになってきたと言うと言い方変だけれど、そんな感じかな。もう4年生だしなぁ。早いなぁ。
授業は図画工作。2人一組になり、今日までに作っておいた工作をお互いに紹介し合うというもの。事前に紙に書いてあるとはいえ、すらすらとよく発表できてました。ただもう少し声は大きい方が良いかな。
それでもその後も手を挙げて意見言ったりしていたし、相変わらず学校生活は楽しそうでそれが何より。
塾にも通い出して宿題も多くなり、annは家族の中でも一番忙しいんじゃないかと思う(それってすごいな)けど、頑張ってるし、いつも全力で楽しそうだし悲しそう。それがannの良いところ。いつまでも、そのままで。

 

最愛の子ども



松浦理英子『最愛の子ども』を読んだ。寡作の作家らしく前作『奇貨』から4年ぶりの新作長編。
著者はデビューからその形こそ変えてはいるが一貫して性的、肉体的、精神的な繋がりを従来の固定観念から切り離し、性器中心主義から離れ、恋愛中心主義からも離れ、種中心主義からすら離れてきた。それでいてそこはかとない性愛、セクシャリティの関係性を描き続けてきた。今作でももちろんそれは引き継がれ、さらにこれはもう驚くべき傑作の域に達しているのではないか。
描かれるのは高校2年生から3年生になる時期の女子高校生たち。語られるのは彼女らの中にいながら疑似家族として父、母、王子様を演じ、演じさせられる3人で、語るのはそんな「わたしたちのファミリー」を含む「わたしたち」。「わたしたち」にはそれぞれ名前も性格も与えられてはいるけれど、物語の中に「わたし」は存在しない。つまり、一人称複数形のまま「わたしたちのファミリー」が語られ、空想され、妄想され、ときには捏造さえされる。
だから、「わたしたちのファミリー」が擬似であるからこそその繋がりが弱く儚いのと同様、語り手である「わたしたち」もその繋がりは弱く儚い。高校生活という一瞬の中でしか繋がれず、解体を前提とした共同体。でも確かにそこには儚くとも弱くとも繋がりはあり、繋がりの中には愛があった。
これから社会の中で生きていく上で、「わたしたち」は解体され、それぞれの「わたし」となってマジョリティの共同体へと属していく。その前段階のあの時代だからこそ繋がれた儚くて弱くてみじめで、ときには孤独なマイノリティの共同体の愛おしさ。素晴らしい。

 

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